「交通事故で頭を強打したらどうなるか?」を読んで。

本当にいい漫画だった。

著者は大学時代にトラックにぶつかり、頭を強打。重度な脳挫傷だった。

なんとか退院をするも、友人との会話のスピードについていけなくなったり、大学の授業がほとんど理解できなくなった。以後、自分ができることとできないことをシビアに判断しながら、現実に対応していく。

特に印象深かったくだりがある。著者は障がいが認定されて、自賠責から800万円の保険が下りるのだが、以来、この800万が大きな目標となる。つまり、障がいによって得た800万を自力で稼げれば、健常者並みになれると考えたのだ。

もちろん、世の中そんなに甘くなく、著者はパソコンの販売員やネット回線販売の営業など接客業を転々とする。脳に障がいを持つ人には不向きと思える接客業をあえて選んだのは理由がある。「できないことをやると脳の回路が広がる」と聞いたからだ。

レジを打ち間違えたり、職服を家に忘れたりして、何度かクビになるが決して絶望しない。本当に前向きな人だ。

そして、事故から4000日後、貯金通帳の残高は800万を超え、著者は「長い長いリハビリがついに…終わった」と思う。

もちろん、いくら金を貯めようと障がいは消えない。しかし、目標があることで意識が変わったり、行動しやすくなるというのは、とても共感できる。

最後、著者は自分の体験を漫画にして人に伝えることを決意する。本書はこんな台詞で幕を閉じる。

「人の役に立つことができたのなら、私は交通事故で頭を強打したかいがある。その時は事故にあって良かったと旨を張って言うつもりだ」

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