とにかく文章が読ませる。怒りの音楽が怒りを緩和する、という指摘も面白い。
「これは、思春期の子どもに多く見られますが、どうしても気分がむしゃくしゃしてなにかを破壊したい衝動に駆られたときに、『世界を平和に』『みんな仲良く手を取り合おう』などと言われると、どうしようもなく腹が立つものです。
そこで、破壊衝動を感じていたり、『自分はもう誰にも理解されることはない』などとやさぐれたりしているときは、同じような衝動を歌う音楽を聴いた方が一瞬の衝動は収まっていくでしょう。
ただ、残念ながら…メタルを聴いていると、かってのわたしがそう見られたように、まるで毒でも盛りそうな女の子のように世間からみなされてしまいがち」(本書より)
今更だが、メタルを聴いてみたくなった。危ないやつと思われるかもしれないが。