「相方は統合失調症」を読んで。

著者は「ボキャブラ天国」で人気だったお笑いコンビの松本ハウスのキック松本氏。相方とは、かって坊主頭、白シャツ、紫のスパッツ姿で一世を風靡したハウス加賀谷氏のことだ。「加賀谷で~す」

統合失調症のために活動を休止して、その後復帰したことは知っていたが、復帰までに10年も要したことは知らなかった。そもそも統合失調症とは一体どんな病気なのか。恥ずかしながら、全く知らなかった。

厚労省は統合失調症をこのように定義している。

「統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。(中略)新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。

以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、『統合失調症』へと名称変更されました」(厚労省 みんなのメンタルヘルス総合サイト)

本書によると、加賀谷氏は中学生の頃から幻聴に悩まされ、16歳から精神科に通い、現在に至るまでずっと抗精神病薬を服用している。

症状を抑えながら芸人となり、ボキャ天ではじけていた。やがて「スナイパーが自分の命を狙っている」という妄想にとりつかれ、活動を休止した。

活動再開までの10年、加賀谷氏がどのような日々を送っていたかは、詳しく書かれていない。

喫茶店でアルバイトをして、お客さんと揉めたことや工場の製造現場で黙々と働いていた話が少し出てくるが、基本は自宅療養していたようだ。10年間の自宅療養・・・つらい日々だったと思う。この期間、相方のキック松本氏は一人で活動しながら、アルバイトで生計を立てていた。

加賀谷氏はなんとか復帰してからも、統合失調症の影響で記憶力が著しく悪くなり、ネタを覚えられない。感情表現がおぼつかず、漫才に気持ちを乗せられない。

漫才師らしいことが何ひとつできなくなり、悩んだ時期もあったようだが、現在は病気の自分を受け入れ、新しい自分に価値を見出しているようだ。以下は2年前、日刊ゲンダイに掲載された加賀谷氏のコメント。

「今のボクのお笑いはナマクラ刀というか、鈍った切れ味が逆に持ち味になって、笑いの幅が広がりました。今だからこそ、できるお笑いもあるんだと思います」(ハウス加賀谷氏)

統合失調症でなくても、健康状態や年齢によって、仕事のスタイルを変えることは、我々サラリーマンも見習うべき。切れ味で勝負できなくなったら、ナマクラ刀で食っていくしかないのだから。人生100年時代はながい。

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